2023.04.07 職場環境
なぜ部下から報連相が上がってこないのか
「部下からなかなか報連相が上がってこない」
これもよく伺う悩みです。
口を酸っぱくして「ちゃんと報連相しろ」と注意しているのに、部下が勝手に判断して進めてしまっていたり、後になってから重大なミスが分かったり...
理由はいくつか考えられるのですが、その一つに、「リスクを取ってまで報連相をしたいと思わない」という心理があります。
報連相を妨げる心理的要因
報連相をするリスクがどのようなことかと言うと、次のようなことです。
・無知だと思われる...「『こんなことも分からないのか』と思われるのでは」
・無能だと思われる...「『こんなこともできないのか』と思われるのでは」
・邪魔をしていると思われる...「『仕事の邪魔になっている』と思われるのでは」
・ネガティブだと思われる...「『否定的だ』と思われるのでは」
これらの不安から、知らないのに知らないと言えなかったり、失敗やミスを隠してしまったり、話の流れと違う新しいアイデアを言えなかったり、みんなが賛成している案の懸念事項を指摘できなかったりするということです。
上の4つの不安は、ハーバード大学の組織行動学者であるエイミー・エドモンドソン教授が提唱したものです。
エドモンドソン教授は、「心理的安全性の低さ」がこれらの不安を引き起こすとしています。
これらの不安をなくすには、上司やチームの雰囲気を逆にすればよいのです。
つまり、このようにです。
・無知だと思われない...「『こんなことも分からないのか』とは誰も思わない」
・無能だと思われない...「『こんなこともできないのか』とは誰も思わない」
・邪魔をしていると思わない...「『仕事の邪魔になっている』とは誰も思わない」
・ネガティブだと思わない...「『否定的だ』とは誰も思わない」
そうすれば、知らないことを確認できたり、失敗やミスを正直に報告したり、新しいアイデアをどんどん発言したり、自分だけ違う意見でもきちんと言えるようになるのです。
その為に、一番重要なのは、部下の話を「否定せずに、まずは最後まで受容的に聴く」ことだと考えます。
「報連相が上がってこない」と嘆く上司が、部下の話を遮って説教を始めるといった光景が、職場にないでしょうか?
否定されたり、話を聴いてもらえなかったりすると、「話しても意味がないから、余計なことは言わない方がよい」という考えがどんどん強化されていってしまいます。
部下から報連相が上がってくるようにするためには、報連相を行うことに対する心理的な不安を取り除くことが大切です。
その為には、「否定せずに最後まで聴く」ということが重要なのです。
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